塩飴の倉庫 彼と彼女の話8 忍者ブログ
小説、イラスト置き場
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7月。デスマーチは唐突に

「アスファルトつくろ~。」
「・・・妙な電波でも受信したか。」

いきなり巷によく聞くフレーズで歌い出した同僚にツッコミを入れる。
現在時刻23時17分。

「・・・人の意識は無意識下で繋がってるっていう説があってね?流行とかあるじゃない。それは水面下の全体としての意識が作用してるらしいんだよ。だから僕がこの歌を急に歌ったのは、きっと誰かがこの歌を歌ってるからに違いない。」
そう言って検索画面を開こうとする同僚。
「ユングもそんなアホな歌歌われるとは思わなかっただろうな。って、おい・・さすがにアスファルト作る歌なんてないと思うぞ。」
「・・・・ない・・・ないわ~。誰かが年度末の道路工事の哀愁を物語った歌を歌ってると思ったのに・・・。寒い、工期が短い、深夜作業は幽霊よりも野生動 物が怖い、美人の姉ちゃんが運転手で会釈とかしてもらうとテンションあがる、逆にカップルだと爆ぜろ!リア充!っていう歌が絶対あると確信してたのに。」
「・・・どんな歌だよ。なんで一瞬でそこまで飛躍したよ。それにお前、道路工事に一切関係ないだろう。なんでそこまで詳しいんだよ。」
「いや、なんか脳内を駆けめぐったんだ。」
「・・・・変な電波受信したんだな。」

7月の蒸し暑い空気の中、タカタカとキーボードを叩く音だけが静かな室内に響く。
昨日からずっと画面と睨めっこばかりしてるので、眼精疲労と頭痛と腰痛。それに加えて代えてないシャツからの汗の臭気に鼻がもげそうだ。
省エネ対策でエアコンは全館停止である。
・・・・この提案文書を作りあげるのが先か、俺たちが熱中症でぶっ倒れるのが先かの戦いだ。

「俺・・・この提案が終わったら翠に会いに行くんだ。」
「やめろ、小林っ!それは死亡フラグだぞっ。」


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上司「いやぁ・・・なんとかなるもんだね。」
総一郎・同僚「・・・。」
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日々、仕事と家事に追われながら趣味を増やそうと画策するネコ好き。

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