塩飴の倉庫 令嬢と護衛の話12 忍者ブログ
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とあるヒロインの独白2



・・・どうしてこうなっちゃたんだろう・・・・。



ちっちゃい頃から、前世の記憶ってのかな・・・そういったのがあったの。

前世の私って、乙女ゲームが大好きで、友達とかもそんな感じで、趣味の合う子と一緒に本とか作ったりする、ちょっとオタク入ってる子だったの。
親とかも普通。
たまに喧嘩したりしたけど、お誕生日とかクリスマスには、お父さんとお母さんと、弟と一緒にケーキ食べて、プレゼントもらったりして、うん・・・普通の・・・・あったかい家庭だったの。

なんで死んだかは覚えてないけど。

この世界のお母さんはね、お城とかでお皿洗いとか掃除とかの仕事してるから、遅くまで帰って来なくて、私、毎日一人でお留守番してた。

でもある時、気が付いたの。

名前がね、乙女ゲームのヒロインと一緒だって。
それから必死に思い出したの。
んで、仕事から帰ってきたお母さんに、この世界は乙女ゲームの世界で、私、ヒロインになるんだよ!って、毎日毎日言ってたの。
お母さん、全然信じてくれなかったから、攻略キャラのプロフィールとか、トラウマになった事件とか?そういったのいろいろ、話してたのね。
そしたらお母さん、真っ青になって、夜だっていうのにどこかに出かけて行っちゃった。
帰ってきたお母さんが、「誰から聞いたの?」だの「どこで知ったの?」って、いっぱい質問されたんだけど、「だって乙女ゲームやってたもん。知ってるもの」って、答えるしかなかった。
それからお母さん、「そのことは誰にも話しちゃダメよ?誰かが殺しに来ちゃうから」って言うから、外では絶対に言うことはダメって約束されたの。
でも、お母さんには話していいって言われたから、思い出したらすぐ話してた。
だって、お母さんニコニコして聞いてくれるんだもん。
話した日の夜はいつもどっかに出かけちゃうけど、でも、お土産に美味しいお菓子持ってきてくれるからいいんだw
この世界でお菓子って貴重なんだもん。
前世のお菓子が恋しいよぅ。
でもでも、大きくなって攻略対象の人に会えばい~~っぱい美味しいお菓子もらえるんだと思って、がんばって我慢したの。

16歳になった時にね、お母さんが約束してた通り、お父さん?を連れてきたの。
私、シーリス男爵の庶子として引き取られるんだって!
シナリオ通りだね!って、お母さんに言ったら、お母さん、寂しそうな顔しながら「頑張るのよ」って言って、馬車に私を押し込んだの。
お父さんに、お母さんはどうなるの?一緒に行かないの?って聞いたら、平民は貴族になれないからって言われちゃった・・・。
私は貴族であるお父さんの血をひいてるから、貴族になれるんだって・・・。

しかた・・ないんだって、お父さんには奥さんがいるからって・・・。

お母さん・・・どうなっちゃうんだろう・・・もぅ会えないのかな・・・。



大きなお屋敷についた私は、大変だった。
お風呂でたくさんメイドさんに肌を磨かれたし、マナーとか、勉強だとか、スパルタ教室な感じで叩きこまれた。
ハッキリ言って寝る暇もないくらい。

もぅヤダって言ったら叩かれた。
ワーワー泣いてたら、鞭とか持ってきたから怖くて、帰りたいって言えなくなった。

が、がんばればいいんだよね?
そうすれば、私、幸せになれるんだよね?



ようやく学園に入学できた時にはホッとした。
週末にはお父さん家に帰って、進行状況とか報告しないといけないけど・・・。
でもでも、皇太子とか公爵家嫡男達は優しいし、すっごい幸せだった。


・・・・・幸せ・・だったんだけどな・・・・なんで私、牢屋に入れられてんだろ。
どうしてなんだろう・・・ねぇ・・・お母さん・・ふかふかの布団も、美味しいご飯も、綺麗な洋服も・・いらないから・・・・お母さんのとこに帰りたいよ・・。
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日々、仕事と家事に追われながら趣味を増やそうと画策するネコ好き。

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