塩飴の倉庫 令嬢と護衛の話7 忍者ブログ
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とある悪役令嬢の父親の独白



突然、王宮の伝令が私の部屋に駆け込んできた。

娘が同級生毒殺の容疑をかけられているらしい。

しかも、その毒が・・・妻を殺したシアルモア毒だと言うではないか。
長年、探し続けていたあの毒。
十数年も経ってようやく世に出たと思えば、まさか娘が所持してただと?
そんな見え透いた嘘に、誰が騙されるというのか。
ワラワラと現れる貴族共の声がうるさい。
部屋に長年の友人である宰相がやってきた。
どうやら彼もこの騒動を聴きつけたようだ。
宰相とアイコンタクトを交わし、互いに役割を確認する。
一網打尽にしてやる。
そう思い、再度、集まった貴族の顔を眺める。
・・・言いたい放題言いやがって・・・。

そんなに娘を犯罪者に仕立て上げたいか。
そんなに私を引きずり下ろしたいか。

そんなに私に喧嘩を売りたいのなら、高値で買ってやろう。
忠臣面をして、人の足をひっぱることしか能のないくせに。



扉の近くに、娘の護衛をしている青年の姿を見つけた。
ゼィゼィと息を切らし、屋敷からきっとここまで大急ぎで来たのだろう。
取り囲む貴族共のせいで声も聞こえない。
じっと見つめる彼に声に出さず指示を出す。


「ショウコヲアツメロ」


弾かれたように駆け出す彼の背を見やり、貴族達への対応をはじめた。



愛するアリアエル。
ようやく・・君を殺した犯人を見つけることが出来そうだよ。
絶対にシエラを害させはしない。
あの小さな背を震わして泣く娘を二度と見たくはないのだ。
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日々、仕事と家事に追われながら趣味を増やそうと画策するネコ好き。

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